進行中の家づくりPROGRESS
映画の中の建築
企画設計室のKurisanです。
お盆休みに、以前見た映画「マトリックス」を借りてきて見ました。
何度見てもキアヌ・リーブスはカッコイイですし、当時大きな話題となり、その後の映像手法に大きな影響を与えた、監督のウォシャウスキー兄弟の才能に改めて感動しました。付録として付いていたメーキング映像も見て、大いに物づくりの発想の参考になりました。
続編の「マトリックス・リローテッド」に地下都市ザイオンというのが出てくるのですが、ここは機械に支配された世界から逃れた人間が作った都市で、だけれども原始的な機械によって生き延びている、矛盾した未来を描いていました。
これを見ながら思い出したのが、映画の中の建築についてです。
過去や現代が舞台の映画なら、そこに出てくる建築や都市は、大抵は想像の範囲内なのですが、未来を描くSF映画の世界は、あくまで想像でしかありません。
ただまれに、現代の建築が未来の都市の中に出てくることがあります。それはその建築が未来的なデザインしているか、あるいは時代を超えた普遍的な要素を持っているからだと思います。
私が見た映画の中で印象に残っているのが、テリー・ギリアム監督の「未来世紀ブラジル」です。
この映画に建築家リカルド・ボフィルの設計した集合住宅・アブラクサスが出てきます。1983年に建築されましたが、ご覧のように中世の宮殿のようなデザインです。
この建物は、フランスのマルヌ・ラ・パレ新都市にある、低所得者向けの集合住宅で、
「大統領の息子が、所得を偽って、住んでいるらしい。」との、噂がでるほど、素晴らしい建築です。
ちなみに、このすぐ隣には、建築家M.N . ヤノブスキーが設計した、蜂の巣のような集合住宅・ピカソアリーナ(1984年)があります。
アメリカの、「低所得者はスラムに。」といった考えとは正反対に、ヨーロッパでは、都市計画のもとに、低所得者の生活が保障されているようです。さらに、この建築の素晴らしいところは、プレキャストコンクリートという工場生産の安い材料を駆使してつくりあげているところです。
現代的手法で、古典主義的宮殿を造ってしまう創造性に圧倒されます。
他にも沢山、映画に出てくる有名建築があるのですが、映画好きの建築マニアとしては、
それを見つけるのも、楽しみのひとつです。
また、建築関係者必見の映画として、ちょっと古いけどオススメなのが、リドリー・スコット監督、ハリソン・フォード主演の「ブレードランナー」。スタンリー・キューブリック監督の「時計仕掛けのオレンジ」です。
今回ご紹介した映画はすべて、今、TUTAYAで名作DVDとして100円でレンタルできます。興味のある方は是非この機会に見られてはどうですか。
Kurisan