今回訪れたのは、お住まいから15年の月日が経ったN様邸。
ご夫婦で観葉植物ショップを経営されており、センス良く植物が飾られた室内は、なんとも心地が良い。
こんな暮らしがしたいが詰まったお家がありました。
「子どもの頃から家づくりに興味があって、よく新聞に入っていた不動産チラシを眺めては妄想していました。」
将来はどんな家に住もうか…そんなことを考えながら、自分で間取りを書いていたN様。
理想が高い分、住宅会社選びは難航するかと思っていた矢先、意外な出会いがありました。
「きっかけは、うちで植物を購入くださったお客様ですね。お引越しをするから植物の搬入を手伝ってほしいと連絡があったんです。」
そこで目にした注文住宅に、強烈な憧れを抱いたと語るN様。
当時は注文住宅といえども、自然素材を用いた家づくりは珍しかったそう。
「芸能人が住む家みたいだなと思ったんです(笑)とくに木製の窓に一目ぼれしましたね。
それで、どこの工務店か伺ったら、じょぶさんだったんです。」
陽だまりのような、穏やかな空間が広がるN様邸。
のびのびと気持ちよさそうな植物に囲まれつつ、木製家具がほどよく配置されています。
「壁などの仕切りが少なく、開放的な家づくりがしたかったんです。」
リビングの上は吹き抜けが設けられており、2階とも繋がりを感じられる開放的な空間がありました。
さらに、吹き抜け天井には、トップライト(天窓)もあるため、空との繋がりも感じることができます。
「2階の吹き抜けに面した廊下は、お気に入りのスペースなんです。」

▲トップライト(天窓)から自然光をたっぷりあびて育つエバーフレッシュグリーン(観葉植物)
本や漫画、そして植物。ご家族のお気に入りが置かれているライブラリー。
中心には、N様がずっと大切に育ててきた「エバーフレッシュグリーン」が置かれています。
「植物を置くために棚を付けてもらいました。正面の窓からも光は入りますが、トップライトがあることで陽当たりがすごく良いんですよ。」
「とはいえ、一番こだわったのは庭ですね。完成までに3年ほどかかりました。」
窓の向こうには、太く大きな枝をいくつも伸ばし、風にそよぐ木々が。
まるで森林浴をしているかのような気分が味わえる、「小さな森のような庭」がありました。
「イギリスのワイルドガーデンのような…。でも、日本の気候にも合う植物をコツコツ植えて、ここまで育てました。」
土地探しでは、利便性や住環境よりも、理想の庭がつくれるかを最優先をしていたと語るN様。
庭の広さはおよそ100㎡(30坪)。なんと敷地面積の半分をしめるのだとか。
それだけ広い面積にも関わらず、土づくりから、植栽まですべてご自分で作業。
土づくりは特に難しく、はじめは失敗してしまい、すべて掘り起こして入れ替えたとか。
「庭づくりは大変でしたが、いまは何も手入れせずほったらかしなんです(笑)のびっぱなしが様になるというか。」
整えすぎないということは、植物にとっても人にとっても心地よい在り方なのかもしれません。
しかし、年に一度はお子さまたちも一緒に家族全員で庭の剪定をするそう。
我が家ならではの伝統行事だと嬉しそうに語るN様でした。
N様にとってお庭は、生活の一部。
季節の移ろいはもちろん、枝の揺れ具合でその日の風の強さ感じとって、家族にコートを持っていた方がいいよとアドバイスするのだそう。
「お気に入りのマグカップを持って、キッチンで庭をぼーっと眺めるんです。それがとても心地よくて、一番お気に入りの過ごし方ですね。」
なんともN様らしい過ごし方。木製サッシによって、まるで一枚の絵画をみているような気分になります。
▼庭づくりのことや、植物をセンス良く飾るコツを紹介!「住む人から家を知る、暮らしの訪問」シリーズ